反対討論

山口 晴美

 市民ネットワークの山口晴美です。会派を代表して、議案第118号、平成15年度千葉市一般会計決算及び議案第137号千葉市水道事業会計について不認定の立場から討論を行います。

 15年度は県議の税金不正免除事件と児童養護施設鳳雄学園の問題を抜きにして、市政を語ることは出来ません。この2つの問題はいまだ解決に至っておらず、市政への信頼関係を大きくゆがめ、さらに疑惑と混迷を深めています。この二つの問題に共通していえることは、問題発覚後の市長をはじめとする千葉市の対応のまずさでした。

 まず花沢県議の税金不正免除事件では、問題発覚後千葉市は関係者と思われる職員を内部調査し、該当職員に懲戒免職を筆頭とする処分を行いましたが、その後の職員2名の逮捕や公判で示された内容と比較すると、この調査は不十分なものでした。
 職員2名が公電磁的記録不正搾出同供用の罪や背任の容疑があるにもかかわらず、公務員として一番重い処分を受けたと言う理由で告訴を見送り、結局職員の逮捕後に市の調査で虚偽を発言したからと、背任罪で告訴しました。市には事実上損害がないと表明しているのに、「背任」で告訴を行った理由が理解できません。
 また県議の滞納税不正免除に使われた「特別処分」について議会はこれまでなんら説明されておらず、その存在自体も知りませんでした。事件に利用されたため廃止したというのに、なぜ今後の対応策として特別処分の廃止が一番に示されなかったのか、隠そうとする意図が見え隠れします。
  特別処分の仕組みが出来る経緯について、調査してもわからなかったということでしたが、皆さんが揃って記憶喪失になってしまったのでしょうか?平成4年に政令市になる時できたシステムに特別処分をコード9が平成8年には組み込まれていたというのですから、5年から7年の担当者で知っている人は必ずいるはずなのです。こんなことでは市民の信頼はますますなくなります。
 司直の言うように事務処理上システムから延滞金自体が消滅してしまう簿外処理だったのか、不能欠損額に計上されるのかははっきり地方税法違反であるかどうかの分かれ目です。誰もが納得の出来る証拠を示して、説明すべきではないでしょうか?そうでなければ、花沢県議以外に不当に税を免除された事案はなかったといわれても、そのまま「そうですか」と信じることも出来ません。
 調査の結果、特別処分の目的は滞納整理の合理化及び迅速化を図るためということですが、特別処分は11年から4年間で18人、9,486万円行われ、年間にして数件です。高額滞納者1,000人以上という人数の中で、滞納整理の合理化及び迅速化を図ったといわれても、あまり影響のない人数ではないでしょうか?特別処分の目的自体、説得力を欠くものです。
 特に残念なのが市長の対応です。市職員や県議の公判によると、他の税務職員も花沢県議から執拗に税免除を迫られ、時には恫喝され、3期分支払えば4期分は免除するとの約束を取り付けられたりしていたのに、また長年県議に対しては特別扱いし差し押さえもせず税の支払いを猶予してきたという経緯もあるのに、市長は「市の関与はなかった」「県議からの圧力を感じたことはない」との一点張りです。
  共同通信の配信によると、昨日の大塚・西郡被告の判決公判で新しい事実が明らかとなりました。大塚被告が花沢県議に自分の人事に口利きを頼んでいたことが判明したのです。裁判官の言葉によれば「見返りを期待して一政治家の利益を優先した」と述べられています。大塚被告は平成13年度は花見川区の納税課長であり、平成14年度には税務部納税管理課長に昇格し、14年度には花沢県議の制免除に成功し、翌15年度には参事になっています。
 こうした昇進が花沢県議の口利きによってなされていたとしたら、これまでの市の組織的な関与はなかったという答弁を覆すものです。花沢県議は誰かに大塚被告の人事をたのんだのでしょうか?先ほど市長からこの件では県議より働きかけはなったと説明がありましたが、大塚被告は納税管理課長に就任して1年で参事に昇格していることに対し、異例の人事との声もあります。更なる調査を求めます。この件については花沢県議の次の公判で触れられるかもしれませんが、こうしたっ状況の中で、決算を認定するわけにはいきません。

 次に児童養護施設鳳雄会の問題です。決算審査委員会においてフォレスト・アトラス社の商行為それ自体について市は認めざるを得ないとのことでした。しかしこのフォレスト・アトラス社の商行為は、実質的に市と施設に損害を与えたのであり、それが万が一内部告発で発覚しなければ継続されていたかもしれません。しかも食材発注を一括して行うものとして存在したフォレストの発注業務ですが、実は措置費で雇われた栄養士に行わせていたこと、そして差額がフォレストに入るような仕組みになっていた事が、明らかになっています。この様な悪用される商行為だったからこそ、発覚した直後に取りやめになったものです。実態として市に損害を生じたという事、この事実をもってこのような商行為は認めることは出来ないと、何故市は明言しないのでしょうか。
 100%措置費で運営される養護施設の食材の購入に関して、中間業者が入って良いのか、その法的根拠は何かとの市民ネットワークの質問に対して、市は食材の購入にあたっての禁止行為などの法的規定はないとのことでした。
 法の理念の元、他の養護施設では子ども達の利益のためには食材を直接栄養士が吟味し発注することは極めて常識的に行われてきたことだと聞いております。今回のほうゆう学園で生じたような法の隙間をつくような行為を、禁止の法的規定がないとして認可せざるを得ない等と市は腰の引けた対応をしてきました。これは施設の監督権者として、法の理念と子どもの立場に立った者とはとても思えません。
 またほうゆう学園の職員についてですが、平成15年8月から以降、退職、解雇が相次いでいます。そして改善勧告がなされた後、この傾向はいっこうに収まることがなく、今年の6月以降においては17人がすでに辞めたか、あるいは辞職願いを提出しています。昨年8月から今日までを通してでは、その人数はなんと27人の職員が退職と言う事態になっています。しかもそのうち4人は解雇で10数人が抗議をして職を辞しています。正規職員がこの人数ですが、この他センターの社会福祉司など非常勤の職員等も含めるともっと増えることになります。
 一方、昨年8月以降の新規の採用者が25人と伺っております。これは数名の職員の交替があったということではなく、開所当時の子どもに対応してきた職員の大多数が入れ替わったということです。この様な状況が子ども達にどれだけ大きな影響を与えていると施設経営者は考えているのか。経営者としての資質、責任が問われるのではないでしょうか。議会としては問題の発覚した直後から、会計処理の問題だけでなく、理事会の責任と人事を含めての徹底した施設の運営改善を求めてきたところです。改善勧告の内容もきわめて不十分であることを指摘して参りました。ここまで放置し、最悪の事態を生じさせた市の責任は極めて大きいといえます。大きく世間を騒がせ、しかも経営実態がいっこうに改善されていないことに対し、期限を区切った強力なる指導と改善がなされなかった時の理事会への明確な対処を強くのぞむものです。

 財政運営については、経常収支比率は90%の警戒ラインを超えて久しく他の指標も高値安定でも驚かなくなっていることは実は恐ろしいことです。一般的には市税収入の落ち込みなどで財政が厳しくなると、義務的経費が投資的経費を圧迫しますが、千葉市の平成15年度一般会計決算によれば、会計規模を補助金や市債で膨らませて、投資的経費を確保していることがわかります。新港横戸町線、蘇我特定地区などの大型公共事業の経費がその要因です。一般会計の市債の発行は昨年度より約110億円増加の669億円で、そのうち臨時財政対策債は207億円となります。臨時財政対策債は平成13年度から3年間の発行額の合計が369億円に登り、後年度に元利償還金と利子が100%交付税に参入されるということで安心して満額発行していますが、交付税特会の見直しによる交付税総額の削減や、また20年という長期にわたる交付税措置ということで今後の不確定要素が多いため深長な発行が望まれるものです。
  一般会計、特別会計、企業会計債務負担行為など全会計に利子を含めた借金総額は1兆2356億という莫大なものとなった今、第2次5か年計画の中で市債の残高を減らし、確実な財政再建を実行しなければなりません。今年度からは基金からの借り入れを行い、表向き黒字を確保しましたが、本来は基金の目的外使用は望ましくなく、借りたものは返さなければならないため、将来的に財政を圧迫するので、こうした資金調達からまず改善すべきです。
 新5か年計画を平成14年度に見直したことで、蘇我特定地区における事業費は、平成15、16年度は単年度で100億ずつつぎ込まれています。事業を前倒しした結果球技場は来年夏にはオープンするそうですが、蘇我駅自由通路の拡幅・補強工事はJRとの間の協議が整わず、寒川新駅もめどが立っていない状態です。また球技場をはじめとする総合スポーツ公園が整備されても、蘇我駅前の商店街の整備やJFEの研究棟や住宅予定地の広大な敷地は手付かずで、球技場と商業施設の導線は分断されたままの状態が続きます。
 商業施設は駅から遠く、乗用車やバス便がないと利用できません。今回開発される規模の商業施設ですと中心市街地や幕張新都心もある中でわざわざ蘇我に出向く魅力は見出しにくいものがあります。蘇我臨海土地区画整理地域周辺は道路の拡幅工事や建物の建設工事が急ピッチで進められています。近くを通ると改めて工場が近くで操業していることも実感しますが、工場からの大気汚染も大変気になるところです。
 都市局からの要請でJFEにより大気状況調査が実施されました。平成15年4月におこなった調査では、複数の項目で環境基準値を大幅に超過していたにもかかわらず、測定データの報告はありませんでした。本年6月の調査でも降下ばいじん、ベンゼンは依然環境基準値・目標値を超過しておりますし、エコロジーパーク周辺の調査も実施されておりません。工場跡地に大勢の市民が集まる施設を建設するという計画自体に無理があったといわざるを得ません。
 以上のように、将来の千葉市の税収増に結びつく費用対効果を望めるかはなはだ疑問が残る大型開発に対し、過重に資金を投入することには賛成できません。
 
  中央第6地区再開発ビルに千葉市が投入する資金は432億円で、14年3月に策定された再整備事業報告書が再検討され、15年10月には特定事業者代行者がプロポーザルで決定されています。結局は余った保留床に市が公共施設を組み込み、特定事業代行者が保留床の一部分の責任を持つことで市街地再開発事業が可能となりました。
  つまりこの事業には、最小の経費で最大の効果をという公の事業の原則はもともとなく、本来なら見直されるはずの産業振興財団の規模も過大です。一つのビルに432億円という巨額の負担は市の財政や他の投資的経費を圧迫するものとなるでしょう。
 千葉駅西口再開発事業は25年前に計画され、1990年に事業費500億円、1995年完成予定で、事業着手されましたが、その後次々と変更になっています。当初の計画より事業費は1.6倍の811億円、完成年度も2009年完成ということです。総事業費811億のうち、国費は95億で県費は9億、市費493億、市債213億と市負担が88%にのぼる事業です。民間事業者が費用をだしビル建設する制度を活用する方向ですが、手を挙げる事業者がいまだ見つからず、土地の買収も解決しておらず、先行きが見えてきていません。
 市はとりあえずビルは1棟の建設から段階的に進めていく計画ですが、当初157名いた権利者も長期化する中、多くの方が転出してしまっています。また保留床の見通しも厳しい現状です。これ以上計画がずるずると長引くことは問題ですし、社会経済状況から民間の事業者が現れなかった場合どうなるかなど、市財政への影響、中心市街地活性化への影響が大きく問題は山積しています。第3者機関を設置し、今後の計画の変更を求めます。

 大型公共事業が進む一方、福祉や市民の生活や活動にかかわる民生費は生活保護費など扶助費が増えているにもかかわらず土木費を下回りました。福祉の担当者は常に「お金があればいいんですけれど、何しろ資金がないもので」というのが合言葉です。
 しかしお金の使い道は自治体が決めるものです。そうした中始まった支援費制度では、居宅支援事業などの利用が予想を上回りましたが、サービスの上限を設定することなく利用できたことは評価いたします。また乳幼児医療費助成制度の現物給付や女性健康相談事業など市民ニーズにあった施策も展開されました。
 教育の分野では少人数学習指導員を36人以上の1年生の学級に配置し学級崩壊に配慮したり、不登校児童対策として学校に籍をおいたまま通えるライトポート花見川に続く第2の居場所としてライトポート若葉が設置され、時代に即した対応がなされました。
  また子どもが生まれた時からの「子ども読書活動推進計画」を作り、その実施が期待されるところです。そうしたきめ細かな施策が展開される中、土気幼稚園の廃園が突然打ち出されました。その跡地に公立の土気保育園を廃止した後、民間の土気保育所を設置する方向が示され、たことは、公立から民営化という方向性が今後既成事実として方向付けられる布石となることのないよう強く望むものです。

 市営水道事業は、15年度から、給水区域の拡大を行い、千葉市域すべてが水道給水区域となりました。千葉市の人口割合から見ると、市営水道区域は5万6千人で5%の割合となります。
 平成15年度に給水区域の拡大を行ったことで、計画最終年度である平成27年度(2015年)までの総事業費は460億円となり、16年度の予算では水利権181億円の一部が債務負担行為として計上されました。この第3次拡張事業計画に反対するものです。以下、理由を申し上げます。
  まず、投資的経費の増大により市財政を圧迫することです。平成15年度決算では、市からの繰入金は10億3千6百万円となっていますが、今後給水場や、送水管などで多額の負担が生じ、繰入金の増はまぬがれません。
 次に、需要予測の不確定要素が多く計画最終年度に、計画を達成できない可能性が大きい事です。今年度決算では、給水人口4万1千人、一日最大給水量は、日量1万3千トンであり、平成27年(2015年)の計画給水人口7万8千百人、一日最大給水量日量3万3千トンとは大きな乖離があります。
 給水人口計画は、現状の約2倍を見込んでいます。ところが、拡大した市営水道区域のほとんどは、市街化調整区域の農村部であり、今後大きな宅地開発等の具体的な計画はありません。土気東土地区画整理や、既存開発団地の居住人口等で多少の増はあっても、給水人口増は困難な状況と考えられます。
 計画一日最大給水量は、現状の約2.5倍を見込んでいますが、全国的に水道用水等の都市用水は、中水利用や、節水意識の高まりから、需要は伸びていません。その上市営水道区域は、ほとんどが飲料用の水道用水であり、一人あたりの給水量ののびは見込めません。
 更に、15年度に、県内市町村とともに協議する県内水道のあり方の検討会が、県によって設置されました。前年度に県は庁内組織で検討を進め、千葉県内の用水供給事業の一元化や、末端給水事業の広域化を目指す案をまとめました。県営水道では、末端給水事業を給水区域である12市村に移譲することなどを案として協議が開始されています。
  問題は、この検討が県で行われていることを15年2月に知りながら、第3次拡張事業の認可上必要な、水源の確保を、県の保有する霞ヶ浦開発、房総導水路から求め、また、房総導水路系浄水場建設を県と共同事業で行う覚え書きや協定書を15年3月に締結したことです。県内水道のあり方が議論されはじめているのに、なぜ多額の水源費を県に払うことになったのか、県営水道の新たな浄水場計画は妥当なのか、等私たち市民に対する説明が全くなされないままの拡張事業計画です。

 四街道市との合併については5月の四街道市の住民投票により合併協議会は解散されました。協議会の中では合併後の建設計画が示されましたが、案とはいえそう事業費1041億円という巨額な計画でした。財政環境が厳しいにもかかわらず。特例債を限度額いっぱいに使う計画はまったく過大であったといえます。また市民の声を市として積極的に取り上げる施策もなかった点は反省すべきです。

以上、会派を代表して討論を行いました。

close