次に、議案第86号・87号の工事請負契約について(余熱利用施設新築工事)(余熱利用施設新築電気工事)ですが、この施設は、本来県が整備すべきものとされていましたが、H14年7月、県は民間事業者を公募する等の方法で臨もうとしました。しかし、民間事業者からの応募はなく、やむを得ず県が応分の負担をすることを条件に、市が主体となり整備を引き受け、今回の契約にいたりました。基本設計が平成14年度の補正予算で、基本実施設計がH15年度の予算に計上されました。
市民ネットワークでは、これまでの経緯の中で、スケートリンク建設の必要性への疑問や施設建設そのものへの市民参加の必要性について訴えてきました。
余熱利用施設の熱源は、当初蒸気を利用した熱供給を想定したものが電気利用へと方向転換し、今回の設計では蒸気の熱利用は縮小されました。結果として蒸気の熱利用のみで考えられていた年間の供給量額は1700万円とされていたものが、電気で3700万円、熱供給で700万円の4400万円と大幅に増額となっています。
また基本設計時に急がなければならない理由として揚げられた、NEDOの補助金は認められませんでした。そのことでも余熱利用施設としての位置づけを失ったのではないかと考えられます。
余熱利用施設の建設についても国に対し、H14年度、15年度と補助金を要望しているとのことでしたが、やはり認めれらなかったとのことです。
H14年12月の基本計画では概算要求費16億円とされたものが、今年度の予算の中では約19億円の継続費として計上され、今回おおむね事業費が確定することになります。事業費の総額は、約21億円で基本計画で示された金額より5億円の増額となりました。県の応分の負担としては13億円とされていますが、5億円の増額となってもその金額は変わらず、増額分については全て市の負担となります。
本年度の予算編成では、基金を取り崩して177億円の財源不足を補うという努力がなされており、余熱利用施設の事業費が大幅に膨らんだことに対し、より積極的な情報開示がなされたのか疑問です。アイススケート場、温浴施設の建設に当たっては、周辺の工場や進出会社との交渉、要望などはなされたようですが、すぐ近くに住居を構える美浜区の高浜・高洲地域の住民の要望を聞いたり、説明会を持ったりする機会はぜんぜんもたれなかったと聞いています。
美浜区の地区連絡協議会からは要望が出ており、余熱利用施設の建設においては、住民参加で何が必要か考えて欲しいという内容のものでした。今回建設に当たり、住民の声はほとんど取り入れられていないと認識しています。
議案第90号工事請負契約について(蘇我特定地区北側横水路改修工事(その2))ですが、新5ヵ年計画が見直されたことで、蘇我特定地区の整備が急速に進んでいます。今回の案件は道路拡幅と交差点改良をおこなう為に、横水路を改修するものです。
市民生活にとっても重要な交差点改良ですが、通常その整備は長期間にわたり、今回提案されました、椿森陸橋交差点改良工事もようやく整備されようとしています。そうした中にあって、蘇我特定地区の中でも交差点改良を進めるための横水路改修など、都市基盤整備公団の進める土地区画整理事業の関連事業が急速に進んでいるようです。蘇我特定地区全体の調和を考えながら、住民意見、市民意見を取り入れ、事業の優先順位を決めていくことが必要です。
以上で市民ネットワークを代表しての反対討論を終ります。