反対討論

山口 晴美

  市民ネットワークの山口晴美です。会派を代表し、議案第118号 平成14年度千葉市一般会計歳入歳出決算 反対の立場から討論を行ないます。

 まず財政運営については改善が見られず、財政指標である経常収支比率は91.9%、公債費負担比率は20.3%と警戒値に達してしまいました。他政令市も同じような財政状況にありますが、交付税措置のある起債を考慮した起債制限比率においては平均が14.7%であるのに対し千葉市は16.1%と高い数値を示しているため、今後も公債費負担比率の悪化が懸念されるところです。

 市債発行額は540億5千万円と前年度に比べ59億3900万円と増えたのは、臨時財政対策債への振替が111億円あったためであり、臨時財政対策債を除けば決算額は429億7600万円となり、昨年より1670万円の減少という説明でした。臨時財政対策債は発行しても発行しなくても、後年度に全額交付税措置されるわけですから、発行額の抑制に努められる選択が欲しかったと考えます。

 源税補てん債も同様のしくみです。また2月の補正予算では国の経済対策に呼応して123億円の補正予算を組みました。通常の市債より有利な補正予算債を80億円ほど発行し対応しましたが、今後、国庫補助負担金の削減や交付税の財源保障機能全般について見直し、縮小を検討が示され、税源移譲がどれくらいになるかも不確定の今、安易にこうした市債に頼る姿勢は改められるべきです。自主財源が前年度より3.1%、金額で67億円減少したわけですから、歳入不足を市債発行などで補わず、歳出抑制に努められるべきではなかったのでしょうか?

 債務負担行為も少年自然の家や土地開発公社の期間延長などの債務負担行為設定によりその残高が一般会計で738億4700万円と昨年より204億9400万円増加しました。これも将来平準化または一括して返済しなければならないことを考えると慎重に活用すべきです。こうした借金が、市民にあまり知らされていないのも問題でしょう。

 またPFIについては10億円を越える事業についてはまずPFI事業VFMの結果が可能かどうかを検討するという方針が示されました。しかし畜産糞尿施設は採算性が見込めないため請け負う事業者がなく中止となりました。市が先導して行ってきた事業であり、中止にあったては畜産農家との十分な話し合いが必要であったと考えます。

 中央第6地区再開発事業においては、事業化検討会からPFI導入は困難と評価され、NHKからもそっぽを向かれてしまいました。急遽、5か年計画を見直し、保健福祉センターが入ることでほとんどが公共施設という計画になったため、市の負担の増大が明らかになりました。民間のノウハウを活用して事業の低廉化を目指すPFIも、取り組める範囲が限定してきたことが見えてきた年でした。

 行財政改革の進行状況を見ると、昨年度34億円の節減が図られ努力は評価するところですが、問題は市の一般会計歳出3294億円で行なった事業がどれくらい市民の満足度を満たしたかということでしょう。すなわち、少子高齢化・不安の時代に即応して、安心して子供を生み育てられ、心豊かに年おいていけるような施策がとられたか、地方分権、市民自治に向かう時代に市政の情報公開や説明責任が果たされ市民との協働でまちをつくる姿勢が示されたかということです。

 平成11年8月に旧川鉄の東工場地域を含む「千葉臨海部地域」が当時の建設大臣より、都市・居住環境整備重点地域に指定され、当時策定にあたっていた新総合ビジョンにおいて蘇我副都心構想が打ち出されました。以後、蘇我駅周辺と旧川鉄の遊休地を含む蘇我臨海部地区227haが「蘇我特定地区」として指定され、平成13年10月には「蘇我特定地区整備計画」が策定されました。推進にあたっては都市再生整備事業として、都市計画法、建築基準法、都市再開発法などの一部改正による規制緩和の手法を使い、蘇我臨海土地区画整理事業と千葉市の総合運動公園(46ヘクタール)を含む地域が整備されることになり、都市整備公団が立替施行を行なっています。

 平成14年度は、この蘇我特定地区において都市計画決定及び商業地区A-1ゾーンと総合
スポーツ公園のあるDゾーンが地区計画の決定がされるなど計画が驚くほどの速さで確定し進捗した年でした。蘇我副都心のトリガーともなる位置付けで、国がお膳立てをして、まるでJFEスチール・都市基盤整備公団などを救済するかのような事業展開が蘇我特定地区で行われています。

 また、新総合ビジョンで蘇我副都心が蘇我駅を中心として示されたわけですが、蘇我特定地区でも駅前の整備は区画整理事業を目指してはいるものの、いつ進むのか今のところ見当がつきません。計画就業人口は2015年度に2万人、2025年度でも就業人口2万4千人ですから、これが完全に達成されたとしても蘇我副都心というのはとても淋しい都心になるのではないでしょうか?

 A−1地区の商業施設もイトーヨーカドーと島忠と港湾商業地区だけですから「ららぽーと」のような賑わいは望めないでしょう。また蘇我副都心を含む都市居住環境整備重点地域2025年で定住人口を3万人、就業人口を7万人と計画を組んでいますが、問屋町や千葉港の区画整理事業内に予定通り業務集積がなされた場合の予想であり、今の段階では希望的観測としかいいようがありません。
 因みに、千葉都心が現在就業人口9万1千人で将来就業人口16万人、幕張新都心が現在定住人口1万3千人、就業人口4万人。将来計画では定住人口が2万6千人、就業人口15万人。これと比較しても、蘇我副都心という3つ目の都心構想は名ばかりと言えるのではないでしょうか?

 昨年度、新5か年計画が見直されました。蘇我特定地区については17年度までの当初計画には4事業あわせて22億4800万円しか組まれていなかったものが、見直しでは7事業となり、事業費が310億8千万円と跳ね上がり、288億3200万円も上乗せされました。そのうち、市民球技場はジェフ市原の公式選も行なう国際級のものにグレードアップされ、81億の経費がかかることになりました。また、計画の総事業費1601億円のうち土地区画整理事業や防災公園・街路事業などで国が負担する補助金は427億円と27%をしめますが、千葉市の負担は35%と大きく、558億円となります。

 サーッカー場の設計を問うためにイレブン懇話会などの市民参加の懇談会を行いましたが、「蘇我特定地区」整備計画や都市計画決定によりや全体事業や経費が大きく膨らんだことなど市民に説明責任も果たさないまま進められています。こうしたやり方は、政策評価を市民で行なう時代にふさわしくなく、とても市民との参加と協働を目指しているとはいえません。

 また、こうした5カ年計画前倒しの事業がある反面、保育所、公民館、消防署、児童センターなど市民に望まれている施設整備が先送りになったことは納得ができません。また、子育て支援策としては、働きながら子育てをする人たちへの施策の前進が見られたことは評価できますが、地域で子育てしている人たちや子供たちへのサポートが大型の児童センターや子育て支援プラザ整備の計画があるだけで、地域での体系的なサポートのしくみ作りが進まないことにはがゆさを感じています。特に福祉施策の充実を求める市民の声はファミリーアンケートなどからも明らかで、大型公共事業に優先すべき課題は山済みです。

 蘇我エコロジーパークは水と緑の環境軸などうたわれていますが、サーマルリサイクル中心であり、資源循環型というには無理があります。民間主導の環境ビジネスの思うが侭にさせるのでなく、業者と千葉市の環境部門が連携し、蘇我臨海部の土壌・大気・地下水などの保全、有害化学物質のリスク管理を行っていくという視点が欠如しているのではないでしょうか?

 住民基本台帳ネットワークシステムについて
市町村長は住民票データの漏洩等のないよう、適切な管理の措置義務があるとされていますが、3200の自治体と国の機関、それと住基ネットが結ばれた全国ネットワークでは、千葉市のセキュリティが高くともその安全性は確保されたとはいえません。8月25日住基ネット大2次稼動前の長野県の発表によると庁内ランを通じてインターネット住基ネットがつながっている自治体が全国800あり、千葉県の調査では20自治体あることが分かりました。また昨日長野県では、庁内ランからインターネットにつながっている自治体への侵入実験を行なってきた結果、本日の日本経済新聞によると3自治体への侵入に成功したとのことです。自治省のいうファイヤーウォールの安全神話は崩れたといえるでしょう。

 「選択制」を取っている自治体や「切断、不参加」の自治体が問題にしている点について千葉市は真摯に検討、調査をし、市としての考えや対策、方向について、市民に広く説明をすべきです。14年度、住基ネットに関連して使われた費用は2億583万円。15年度からはさらに住基カードも希望者に交付され、今後はこのカードの利用拡大いかんによって、さらにコスト増が想定されます。

 また、住基ネットは自分の情報を載せるか載せないのかを自分で判断する自己情報コントロール権を認めていません。しかも、誰が誰の情報にアクセスしたかを知るためのログ情報の開示も本格稼動には間に合いませんでした。地方分権の時代、千葉市が住基ネットから一時離脱し、市民選択制などを市民とともに検討する事を望むものです。
以上、反対討論を終わります。



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